遺言書でできること
遺言書とは、自分の死後の遺産の処分方法などについて書き残すものです。法律が保護する遺言内容は大きく分けて、①誰に何をどう相続させるか、②法定相続人以外への遺贈や寄付行為、③婚外子の認知・未成年者の後見人の指定、④遺言執行者の指定、となります。
遺言書には3タイプある
特徴 | 長所 | 短所 | その他 | |
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公正証書遺言 | 公証役場で証人の立会いのもと、公証人が作成してくれる。 | 書式の不備がない。偽造、変造、紛失がない | 証人らには内容が知られてしまう。 費用がかかる。 |
公証役場で、20年間、または遺言者が百歳になるまで保管してくれる。 |
秘密証書遺言 | 自分で作った遺言書を封筒に入れて、公証役場に持参する。証人は必要。 | 内容を他人に知られずにすむ。 ワープロ作成も可。 |
遺言の内容が有効かどうかは保証されない。内容によっては無効に。 | 検認が必要。 保管は自分でだが、遺言をしたことは証明される。 |
自筆証書遺言 | 本人が全文を自筆で書く(但し、財産目録は印字でも可)。 作成日付、署名、押印があることが要件。 |
いつでも作れる。 内容も誰にも知られない。 費用がかからない。 |
書式の不備、内容の不明確さゆえ、無効になることも。 発見者に変造、破棄されるおそれ。 |
検認が必要。 保管は自分でなので、遺言書を見つけてもらえない可能性も。 |
普通方式の遺言書には3種類あります。それぞれの長所・短所などは上の表のとおりです。
公正・秘密証書遺言の作り方
公正証書遺言だと最も安全・確実です。ただし、公証人への手数料がかかり、作成に2名の証人を立ち合わさなくてはなりません。遺言内容はどうしてもこの者らには知られます。
秘密証書遺言だと、遺言書の存在を明確にしたうえで、内容は誰に対しても秘密にできます。ただし、完全に自作すると、その内容が有効かまでは分かりません。
自筆証書遺言と検認
自筆証書遺言は、証人が不要で、費用をかけなくても簡単に作れます。遺言者が自分で全文を書き(財産目録は印字可)、日付を入れ、署名、押印すればいいのです。
その一方、要件の不備から無効になるおそれも、遺言書を見つけてもらえない可能性も、悪意の発見者により変造・破棄されることもあります。家庭裁判所の検認手続きも経ねばなりません。